乳幼児の健やかな肌を守ることは、単に湿疹を防ぐだけでなく、将来の食物アレルギーやアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を予防するためにも非常に重要です。当院では、最新の知見に基づき、早期からの徹底したスキンケアを推奨しています。
1. なぜ「スキンケア」が重要なの?
赤ちゃんの皮膚は大人の半分ほどの薄さしかなく、バリア機能がとても未熟です。
バリアが弱いと: 乾燥しやすく、外からの刺激物、細菌、そして「アレルゲン(ダニや食べ物のカスなど)」が容易に皮膚の中へ侵入します。
湿疹があると: 荒れた皮膚からアレルゲンが入り込むことで、体がそれを「敵」と見なし、アレルギー体質になるきっかけ(経皮感作)を作ってしまいます。
「きれいに洗う」+「しっかり保湿する」の2ステップで、皮膚のバリアを補強しましょう。
2. 正しいケアのポイント
① 洗浄:こすらず「泡」で洗う
汚れを落とすことは大切ですが、ゴシゴシ洗いはバリアを壊してしまいます。
たっぷりの泡: 石けんはしっかり泡立て、手で包み込むように優しく洗います(泡を転がすイメージです)。
すすぎは丁寧に: 石けん成分が残ると刺激になります。くびれの部分(首、脇、股など)は特に念入りに流しましょう。
② 保湿:お風呂上がり「5分以内」に
乾燥を防ぐために、水分が逃げる前に保湿剤を塗ります。
回数: 1日1〜2回(入浴後と朝)。乾燥が気になる時は着替えの度など塗っても構いません。
塗る量の目安: 皮膚がテカッと光る、あるいはティッシュがペタッと貼り付く程度が適量です。
3. 湿疹・アトピー性皮膚炎の治療について
もし湿疹が出てしまった場合は、スキンケアだけで治そうとせず、早期に適切な治療を行うことが大切です。
積極的治療: 当院では、炎症がある場合にはステロイド軟膏等を用いて速やかに湿疹を抑えます。
軟膏の塗り方指導: お薬は「量」と「塗り方」で効果が大きく変わります。アトピー性皮膚炎の方や繰り返す湿疹にお悩みの方には、スタッフが具体的な塗布方法を実演・指導いたします。
「たかが湿疹」と思わず、お肌のトラブルはいつでもご相談ください。赤ちゃんのモチモチした健やかな肌を維持することは、一生の健康を守ることにも繋がります。
参考文献
日本小児アレルギー学会:『小児アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024』
日本皮膚科学会:『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン』
Horimukai K, et al. "Application of moisturizer to neonates prevents development of atopic dermatitis." J Allergy Clin Immunol, 2014.(新生児期からの保湿によるアトピー予防に関する研究)

