院長が頭痛もちのため日本頭痛学会に所属し頭痛診療に力を入れています。
慢性的に頭痛でお困りな方は、どうぞご相談ください。
初診時には頭痛問診票を記載して頂き、適切な診断のもと治療いたします。
 
子供の頭痛の原因

子どもの頭痛のほとんどは、原因となる病気がない「一次性頭痛」であり、頻度が多いのが片頭痛や緊張型頭痛です。
稀に、原因がある「二次性頭痛」として脳腫瘍などの重い病気が隠れている場合がありますので、慢性的に頭痛がある場合には一度脳外科などで画像検査をおすすめしています。また発熱や感染症時に起こる一時的な頭痛は、高熱が持続し嘔吐を繰り返すなど脳炎や髄膜炎の徴候がなければ経過観察で問題ありません。
他には、起立性調節障害や心因性の症状としての頭痛、糖尿病や甲状腺疾患などが隠れていることがあります。
 
 
自宅での頭痛の対処法

子どもが慢性的に頭痛を訴える場合には、痛む部位と場所を聞いてみてください。
前頭部、側頭部を痛がる場合には片頭痛、後頭部を痛がる場合には緊張型頭痛が多い傾向があります。
 
片頭痛の場合、早めにアセトアミノフェンやイブプロフェンなどの痛み止めを使用し、静かな暗い部屋で安静にして過ごしましょう。また痛い部位を冷やしてあげると楽になります。成人に比べ短時間で良くなる傾向があります。
 
緊張型頭痛の場合、体を動かすことで痛みが緩和され、痛み止めを使用しなくてもよくなることがあります。血行をよくするために運動や入浴をすることで頭痛がやわらぐこともあります。
 
頭痛時に処方される薬

鎮静薬
アセトアミノフェン(カロナールなど)やイブプロフェン(ブルフェンなど)を、体重相当必要量使用します。
鎮静薬は痛みを緩和させる薬ですが、痛みをごまかす薬とも言えます。使用しすぎることによって痛みの閾値がさがってしまい、子どもでも薬物乱用性頭痛の問題が起こってくることが懸念されます。
 
 漢方薬
頭痛の回数が多く鎮静薬を飲みすぎている場合には、漢方薬を併用することがあります。頭痛に使用する代表的な漢方薬は、「呉茱萸湯」と「五苓散」で、緊張型には「葛根湯」がよく効きます。「呉茱萸湯」とても苦い薬ですが、片頭痛と緊張型頭痛ともに効果があります。「五苓散」は体の水分の不均衡を正す薬で、天気が悪い日に起こる頭痛や気圧の変化による頭痛に効果があります。(二日酔の頭痛にもよく効きます。)「葛根湯」はかぜの初期のうなじの強張りに効果があることが知られていますが、血行をよくするため緊張型に効果があります。
 
 トリプタン製剤
小児年齢でも、重度の片頭痛の場合には、相談の上、「トリプタン製剤」を使用することがあります。片頭痛の原因と言われている痛み物質で拡張した血管を改善してくれる作用がありますが、薬を飲むことによる倦怠感やめまい感も高頻度で起こります。
 
 予防薬としての内服薬や抗体製剤
片頭痛と診断され、頭痛の頻度が多い、鎮静薬を飲みすぎている場合には予防薬を使用することがあります。五苓散などの漢方や、ロメリジン塩酸塩(ミグシス®)やバルプロ酸製剤(デパケン®など)などを、頭痛の無いときも定期的に内服して頂きます。
また成人で適応のある片頭痛の抗体製剤の注射薬は、子どもでは使用できません。頭痛専門医や内科専門医以外は投与できないため当院では行う事ができませんが、成人の方でご希望の方は情報提供いたしますのでご相談ください。高額ですが非常に効果が望めます。