こころと発達外来
起立性調節障害や思春期の体調不良、心の相談、発達相談を時間をかけて行っております。
倦怠感やめまい感や頭痛が持続している、ストレスに腹痛や喉の詰まり感などの身体症状、不安感が強い、イライラが強い、チック症状、登園・登校しぶりなどでお困りな方はご相談ください。
学童期から思春期後半までの時期は、自律神経のアンバランスが起こりやすく、起立性調節障害を発症したり、こころの不調で悩みやすい時期です。
大人よりも狭い世界で生きている子どもたちが、逃げ場がなくストレスを溜めながら生き続けることは本当に大変なことです。
子どもたちの状況が悪く感じられるときは、家族の方も冷静でいられないと思いますが、ご家族の方と一緒に良い方法を探していきたいと考えております。
当院では症状の詳細をお聞きする【学童・思春期問診票】で問診を行っております。起立性調節障害と診断した場合には生活指導や薬物治療を行い、精神症状が強い場合には、不安やストレスを軽減したり体質改善を目的とした漢方薬を処方することがあります。また、うつ病や強迫神経症など、より専門性の高い心療内科などへの受診が必要か判断いたします。
まずは、お一人で悩まずにお気軽にご相談ください。

起立性調節障害のお子さんは、体調不良のため自信をなくし周囲からの理解を得られず落ち込んだり、体調不良から不登校となったりすることがあります。
以下をお読み頂き、症状が当てはまると感じた方、また体調不良が続いている方はご相談ください。

起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)は、10代の思春期前後の子どもに多くみられる自律神経の機能失調です。
起立性調節障害の治療
人のからだは、起立により血液が下半身に貯留し心臓へ戻る血液量が減少するめた血圧が低下しますが、正常では自律神経系の一つである交感神経が興奮し下半身の血管を収縮させ、心臓へ戻る血液量を増やし血圧を維持しようとします。
しかし、このメカニズムが働かない起立性調節障害の方は、血圧が低下したまま脳血流が減少し様々な症状が現れます。
小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン(日本小児心身医学会) による大症状としては以下があり、これらの項目のうち3つ以上当てはまる、あるいは2つであっても症状が強いなどの場合、起立性調節障害を疑います。
- 立ちくらみ、あるいはめまいを起こしやすい
- 立っていると気持ちが悪くなる。ひどくなると倒れる
- 入浴時あるいは嫌なことを見聞きすると気持ちが悪くなる
- 少し動くと動悸あるいは息切れがする
- 朝なかなか起きられず午前中調子が悪い
- 顔色が青白い
- 食欲不振
- 臍疝痛、へその周囲の痛みをときどき訴える
- 倦怠あるいは疲れやすい
- 頭痛
- 乗り物に酔いやすい
起立性調節障害は、症状から診断する「症候群」となるため、ほかの病気ではないことを確認した上で、生活指導や治療の反応を確認します。
起立性調節障害のタイプ分けをするために、シェロングテスト(10分間安静の状態で横になった後に起立し、心拍数や血圧の変化を測定)を行なうこともあります。
1.起立直後性低血圧:起立直後に血圧低下が起こり、回復に時間がかかるタイプ
2.体位性頻脈症候群:起立後の血圧低下はなく、心拍数が異常に増加するタイプ
3.血管迷走神経性失神:起立中に急激な血圧低下が起こり、失神するタイプ
4.遷延性起立性低血圧:起立中に徐々に血圧低下が進み、失神するタイプ

自律神経を整えるために、一番大切なのは規則正しい生活を心掛けることです。
また循環血液量を増やすため十分な水分と塩分の摂取が必要です。朝ごはんを和食にして味噌汁などで塩分をしっかり摂取し1日をスタートさせましょう。
運動により下半身の筋肉量を増加させ、筋肉ポンプの働きを高めることも大切です。
日常生活では、急に立ち上がらないこと、また立位でふらつきがきたら早めに座ることも大切です。
薬物療法としては一般的に昇圧剤の内服が行なわれますが、自律神経を整えたり、循環を改善する漢方薬が効果的なことがあります。

小児特定疾患カウンセリング料は、18歳未満の患者さんやそのご家族の方に対して、心の相談や身体的不調の相談など、日頃の生活や環境について医師がしっかりとお話を伺い一緒に考え、日常生活を安心して過ごしていただけるように適切なケアを提供するために算定するものです。
2024年6月1日の診療報酬改定で「小児特定疾患カウンセリング料」が以下のように変更になりました。
(1)初回 800点
(2)初回カウンセリングから1年以内の期間:月の1回目600点、月の2回目500点
2年以降は点数が変わります。
保険診療となりますので、子ども医療受給者症をお持ちの方は助成対象となります。
これまで算定していなかった継続治療のお子さんも診療内容によって改めて算定を行うことがありますのでどうぞご了承くださいますようお願いいたします。