2024/11/24

子どもと回転椅子

雪が積もりそうですね。
今年は少しばかり鍛えているので、クリニック前の十字路で、すっ転ぶことはないと信じたいです。
 
さて、題名の『子どもと回転椅子』
「なんのこっちゃ?」と思う方と、「あー、あれだ…」と思う方いらっしゃると思います。
 
クリニックの診察室にある、短い背もたれのある患者さん用の椅子。
当院では医師用の椅子と色を合わせて、落ち着きのある青色(調べてみたら瑠璃紺かサファイアブルーかプルシャンブルーあたり)のキャスター付きの回転椅子を使用しています。
 
小児科あるあるだと思いますが、この椅子に座る子ども達が『回転する』という話を深く掘り下げてみようと思います。
 

年代別考察

2歳以下までのお子さん:たまにひとりで座らせようとする親御さんもいますが、危ないので抱っこして座ってもらいます。回りたくても回れません。
 
 2歳から3歳位のお子さん:少し回ります。まだ体が小さいので足をぶらぶらする程度で満足していることが多いです。
 
 4歳から就学前のお子さん:座ってすぐに横揺れ始まります。お母さんとお話している間に大体回ります。
 
 小学生のお子さん:ほぼ高率で回ります。しっかり回転します。
 
中学生:回転しなくても横揺れする方がおり、一部の方は回転します。
 
 高校生以降:大体回らなくなります。
 

回り方の考察

 
横揺れ型:足をブラブラさせながら揺れる。安全です。
 
 回転型:ゆっくりと回る方法と勢いよく回る方法が あります。一部、背中を診察する時に勢いよく回転しピタッと止める方がいます。最初から背中を診る瞬間を狙っており、診察の度に回転時の止め方が上達する方も。遠心力に負けそうになり椅子から振り落とされそうになることもあり危険なことも。
 
回転+椅子を高くする応用型:椅子の機能がよく分かる高学年の方は、回転する前に椅子裏のレバーで座面を高くしてから回り始める高度な技を使うケースも。
 
 

親御さんの対応の考察

 
見守り型:危なくなければ大丈夫と見守る。
 
 非言語注意型:言葉をかけずにこっそり足を抑える、椅子を抑える。
 
 しっかり注意型:「ほら、回らない!」「回らないって言ったでしょ!(自宅でやらないように言われてから来院するのかも)」「回るのやめなさい!」「危ない!」
 
 
好奇心旺盛で楽しいことを見つけるのが得意な子ども達が回るのは自然の摂理です。そこに回転椅子があるなら回るのが、子どもらしい子どもだと思います。
 
親御さんに怒られるお子さんを見て、回らない椅子に変えようかと考えたこともありますが、今は「回る子ども」を楽しく診察させて頂いております。そして回らなくなってくると「成長したなぁ」感慨深い気持ちになります。
回る椅子を膝で抑えて診察する技も身につけましたので、どうぞ気になさらないでください。遠心力に負けそうな位ブンブン回るお子さんも、痛い思いをすると加減するようになります。危なくない範囲で回るのは、許容範囲だと思っています。
 
そして成長と共に、必ず回らなくなる日がやってくるのです。
 
因みに診察室のベッドも子どもの大好きな場所です。小さいお子さんも必死によじ登ってぴょんぴょんしたり、枕とバスタオルを使って急に睡眠モードに入ったり、三点倒立を始めたり(少数派)、それぞれ楽しんで活用しています。
 
インフルエンザワクチン接種や風邪症状でクリニックは混雑しています。
雪道で来院も大変かと思いますが、師走の時期、どうぞ無理せずお過ごしください。