2024/11/28

まずはしっかり眠ってみよう

本日夕方19時から「子どものねむりを考える in 札幌」という講演会でした。
ハイブリッド開催、つまり現地に行ってもWEBでも視聴出来る講演会です。
わたくし厚別区在住で、中央区という大都会に足を運ぶのが大変面倒になっており、WEBでも聞ける講演会は基本WEBで、たとえWEB視聴の最後の一人になってもWEBで聞こうと決心しています。
 
それはさておき、
 
「子どもの神経発達症診療と睡眠」という演題で、ご講演くださったのは札幌市心身医療センターの末田慶太朗先生です。
発達障害のあるお子さんに適応となっているメラトニン製剤のお話なのですが、そのご講演の大半は、睡眠がいかに大事かというお話でした。
 
ご存知かもしれませんが、日本人の睡眠時間は世界一少ないそうです。
18歳以上の成人に必要な睡眠時間は7-9時間だそうでこれもびっくりですが、14歳から17歳では8-10時間、思春期のお子さんがこんなに寝ていれば、大抵の親御さんは「うちの子寝すぎです」とかえって心配するのではないでしょうか。
 
質の良い睡眠を十分な時間とるだけで、様々な体の不調が取れると仰っていました。
だからまず寝てみよう、騙されたと思ってしっかり寝てみよう、睡眠を整えることで体の不調が改善するかも、心身の不調を薬に頼る前にまず睡眠を大事にしてみよう、という訳です。
 
当院でも「睡眠」に関する相談は結構多いです。
幼児では夜なきの相談が多く、年齢が高くなると「寝つきが悪い」「朝方に寝て、夕方まで寝ている」「朝どんなに起こしても起きません」などなど。
 
よくあるのが、思春期年齢のお子さんの親御さんからの「子どもが全然寝ないんです」という訴えです。全然寝ないとのことですが、よくよくお聞きすると、朝方まで起きていて朝方から夕方までしっかり寝れていることが多いです。つまり昼夜逆転ですね。
 
不登校になると昼夜逆転になるお子さんは大変多いです。真面目なお子さんほど、同級生が活動している時間に家でじっと活動するのはきついのではないかと思います。きっと私でも日中寝て、みんなが寝静まった時間に活動したくなると思います。
 
日中でもしっかり寝れているなら、睡眠が大事という観点からは「大丈夫」と思えます。子どもがリラックスした寝顔で寝れているなら、まぁ時間帯はともかく有り難いことではないでしょうか。寝ている間に体や心は回復し、健康を保つ第一歩になるのですから。思春期のお子さんの寝顔を見れるのはなかなかないですから、頬にちゅっとまでは出来なくても、優しく頭を撫でてあげたりしてはいかがでしょうか。
 
気持ちが「鬱(うつ)」になると、寝たくても寝られない真の不眠症がみられます。
寝れないとさらに抑うつ的になるという負のループに入り込んでしまいます。そういう方には薬物療法が必要かもしれません。
 
布団に入るといろいろ考えてしまい、寝れないという思春期年齢のお子さんには、まずは、起きている時間には横になってばかりいないで適度に体を動かすこと、布団に入ってからはなるべくスマホやゲームから離れることをお勧めします。簡単にはいきませんが、後は本人が本当に夜に寝たいかどうかなので、周りのアドバイスを聞くも聞かぬも本人次第、体を壊してからわかる健康のありがたさもあるわけですから、親は子どもの行動への執着を手放す潔さも必要かもしれません。
 
本日の講演会から引用させていただくと
 
すみやかにねるための10か条(大人編)
・午前中に日の光を浴びる
・食事の時間を一定にする
・運動は夕方に、散歩もよい
・カフェインは寝る3時間前まで
・酒は寝る3時間前まで
・寝る2時間前より強い光を避ける
・風呂は寝る30分前に
・寝室は18度から26度に保つ
・布団でもスマホ、ゲームはご法度
・寝なきゃとあせるべからず
 
自分はほぼほぼやっていないことばかり(汗)
 
大人の方も、疲れが取れない、イライラする、心配ごとが多い、など心身の不調を感じているならば、まずはご自身が質の良い睡眠をとるために最大限努力してみませんか。