2026/1/15

新年のご挨拶と新しい片頭痛の薬

皆様、あけましておめでとうございます!

少しのんびりしたご挨拶になってしまいましたが、本年もそらいろこどもクリニックをどうぞよろしくお願い申し上げます。

札幌の小中学校では今日から冬休み明けとなりました。子どもたちの登校する姿を見て、「日常が戻ってきたなぁ」としみじみ感じています。

私自身は年末年始、のんびりゴロゴロ過ごしておりました。おかげで休み明けは時差ボケとの戦いで、スロースターターな仕事始めとなりました。皆様も、無理せずゆっくりエンジンをかけていきましょうね。

さて、そんな「ゴロゴロ正月」を過ごしていた私ですが、必死で年末年始にオンデマンドで聴講した「日本頭痛学会」のセミナー。そこで話題だったのが、昨年登場したばかりの片頭痛新薬「ナルティーク®(一般名:リメゲパント)」です。

私自身も、重度の片頭痛持ちで、現在3ヶ月に1回、予防の抗体製剤の注射を投与しています。以前に比べ、嘔吐するほどの発作は起こらなくなっていますが、それでも月に2-3回は五苓散や呉茱萸湯、トリプタンやラスミジタンの急性期治療薬を内服しています。私の場合、トリプタンやラスミジタンで頭痛は軽減しますが、眠気や倦怠感が強く仕事中は要注意です。次回受診時には、この新薬を処方して頂き、試してみたいと思っています。

今日はこの新薬について知って頂きたく、わかりやすく解説します。

 

① 「二刀流」の使い勝手の良さ

これまでの薬は「痛い時に飲む専門」か「毎日飲んで予防する専門」のどちらかでした。 でもナルティークは、発作時と予防の二刀流!これ一種類で、攻めも守りもこなしてくれる頼もしい存在なんです。

「今すぐこの痛みを止めたい!」という時に1錠

「最近、頭痛が多いから防ぎたい」という時は、予防的に2日に1回定期的に1錠。 

という2通りの飲み方の適応があります。

② 血管をギュッとしない「優しさ」

今までの片頭痛発作時のトリプタン製剤は、広まった血管を「ギュッ!」と力ずくで引き締めるタイプが主流でした。そのため、血管に持病がある方には使いにくかったり、飲んだ後に胸が重苦しくなったりすることがありました。 ナルティークは血管を締め付けるのではなく、痛みのスイッチ(CGRPという物質)を「ポチッ」と切るような仕組みです。血管に優しく、これまで副反応で薬が飲みづらかった方にも新しい光になるかもしれません。

③ どこでも「お口でスッと」

水なしで、舌の上でサッと溶けるタイプです。会議中や運転中、家事で手が離せない時など、「あ、来そう……」と思った瞬間に、スマートに服用できます。

 

ナルティーク®は、現時点では成人(18歳以上)が対象のお薬です。

そのため、当院は小児科ではありますが、「高校を卒業された方」や「お子さんの保護者の方」に処方することになります。

よくよく診察室でお話を伺うと、「子どもの診察に来たけれど、実は親も頭痛が辛くて薬を飲みすぎています…」 「鎮静薬があまり効かなくて、毎日の育児や仕事が辛い…」 というお声を耳にします。私自身、頭痛専門医を目指して日々精進しておりますが、この薬の素晴らしい点は、注射薬(抗体製剤)と違い、専門医でなくとも処方が可能なため、より多くの悩める方に届けられる、画期的なお薬だと感じています。

なお、頭痛には様々な種類があります。特に、子どもの頭痛は単なる片頭痛だけでなく、起立性調節障害に伴うものや、緊張型頭痛、時には心のサインが隠れているものなど、様々な種類が入り混じっています。

そのため、治療も「この薬を飲めばOK」というほど簡単なものではありません。当院では、まずはじっくりお話を伺い、生活リズムの改善や、お子さんの体質に合わせたメニューで丁寧にサポートしていきたいと考えています。

頭痛でお困りな方は、お気軽にご相談ください!