急に寒くなってきましたね。
インフルエンザAも流行し始め、休校や学級閉鎖も増えています。
さて、この10月から、小児科の休日当番医が減少していることをご存じでしょうか。 実は今、小児科の休日診療体制が危機的な状況にあります。
この現状と今後の見通しについて、皆さんにぜひ知っていただきたく、以下にまとめました。 大切なお子さんの健康を守り、休日の医療体制を維持していくために、皆さんのご理解とご協力が必要です。ぜひ最後までお読みください。
 
■ 何が起きているのか
- この10年間(特に直近5年)で、小児科の休日当番を担う医療機関は約6割も減少しました。 高齢の開業医の引退が進む一方で、新規開業が追いついていないためです。その結果、残されたクリニックの当番回数は2倍に増加しています。 
- インフルエンザの流行期には、検査を希望する患者さんが急増し、診療が深夜まで及ぶケースもありました。 
- 軽症の風邪や、平日まで待てる症状での受診も依然として多く、いわゆる「コンビニ受診」が問題となっています。 
 
■ 小児科医会が札幌市に働きかけてきたこと
- 令和4年:市の救急医療体制検討部会にて、「4〜5年以内に当番制の維持が困難になる」と報告し、「小児科休日診療拠点」の設置を要望しました。 
- 令和6年:「令和7年度からの拠点設置」を強く要望しましたが、市からの回答は「早くても令和8年4月から」とのことでした。 
- 令和7年10月:現状のままでは維持が困難と判断し、クリニックの休日当番数を3軒から2軒に減らしました。同時に、札幌市の主導により、手稲渓仁会病院を会場とした完全予約制の臨時当番体制がスタートしました。 
 
■ 休日当番体制を守るために、皆さんにお願いしたいこと
- 休日当番は、平日まで待てない緊急の患者さんのための診療体制です。 平日まで待てる症状の場合は、かかりつけ医を平日に受診してください。 
- 休日診療では、診察料に加算が多く含まれています。これは、通常より多くの人手や労力が必要な体制であることをご理解ください。 
- インフルエンザの検査は、発熱から24時間以内では陰性となることがあります。 検査の適切なタイミングを見極めて受診するようお願いいたします。 
- 休日当番日は患者数が多く、平日と同様の丁寧な診察が難しい場合があります。 より適切な診療を受けるためにも、可能な限り平日に受診しましょう。 
- 入院が必要な場合、札幌市内で紹介できる総合病院は1施設のみです。 ご自宅から遠方になる可能性もあるため、週末の過ごし方については、土曜日までにかかりつけ医と相談しておくことをおすすめします。 
 
地域の小児医療体制を守るために、皆さん一人ひとりのご理解とご協力が欠かせません。 今週末は連休となり、当番の混雑が予想されます。適切な受診をよろしくお願い致します!!