2017/8/19

片頭痛のおはなし

夕方、札幌市小児科医会の勉強会がありました。
テーマは『小児・思春期の頭痛』です。
 
前半は主に片頭痛についてのおはなしでした。
 
なにを隠そう、わたくしも筋金入りの片頭痛もちです。記憶としては小学生頃から。
 
母も片頭痛で、昔はよい薬もなかったので、頭痛のため寝込んで嘔吐し続ける母を何度も見ています。家族歴濃厚です。
 
現在は予防薬に加え、発作時に使用するトリプタン製剤という種類の薬があります。
片頭痛の人にとっては救世主のような薬です。
 
私とこの薬の出会いはNTT病院に勤務していたかれこれ10数年位前にさかのぼります。
 
頭痛が「きたな」というときに、なぜかたまたま鎮痛薬を持っておらず、あれよあれよという間に「ぐあんぐあん」と頭痛がひどくなり嘔気もでてきました。
仕事も続けなければならないのに、身の危険を感じるほどの痛みになってきたため、麻酔科の部長先生にヘルプを求めました。
 
顔面蒼白で嘔吐している私をみながら、「せんせー、これってホントに片頭痛なの?」などと聞かれながら、なぜかベット上酸素マスク状態で、救世主であるトリプタン製剤(イミグランという注射薬)を打ってくれました。
 
すると30分もしないように嘘のように頭痛が治ったのです。
 
世の中にはこんなにいい薬があるのだ…!と、それから発作時には同じ系統の飲み薬を飲むようになりました。
 
片頭痛は、ほかに脳の病気がないかどうかの鑑別診断からはじまりますが、典型的なものはほぼ症状から診断がつきます。
 
ストレスや疲労、または気圧の変化でも起こります。
どんよりした雨の当直の日は100%の確率で頭痛が起こっていた私です。当直もストレスだったんですね。
 
最近は漢方薬も飲んでいます。
五苓散(ごれいさん)や呉茱萸湯(ごしゅゆとう)という漢方は頭痛に効果があります。
五苓散は脳のむくみをとるので二日酔いの頭痛や嘔気にもよく効きます。
呉茱萸湯はすごーく苦い薬で甘い味付け(はちみつなど)しないと結構つらいです。
最近はこのダブル内服である程度頭痛が改善しています。
 
頭痛でお困りのお子さんは是非ご相談下さい。